世界有数の実業家、ソフトバンク代表取締役兼社長の孫正義氏の経営手腕は一流実業家も認める程の凄腕であり、今やソフトバンクは日本経済の中心にある。そんな「ソフトバンク帝国」を築き上げた孫正義氏だが、最近は各事業に失敗し、赤字を膨張させるやばい事態が続いている。
主軸となるLINEとのお話の前に、今現在ソフトバンクが「やばい」理由を順番に解説するので良かったら順番に読んでみてほしい。
大前提:ソフトバンクは投資会社である
ソフトバンクと聞くと株に興味のない人(会社の事を深く知る必要がないため)は「通信会社」という解釈をする事も多い。何故なら、ソフトバンクは大手キャリアの一つであるため、このような解釈になるのは普通である。ただ、孫正義氏が今最も力を入れているのは投資であり、実際の所、投資会社である「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の利益により経営が成り立っている要素が強い。
そのため、現在は度重なる失敗により痛手を被る事態となっているのだ。順番に見ていったらその理由がはっきりわかるはずだ。
やばい大失敗その①We Workの投資で大コケした
コワーキングスペースを提供する「We Work」の株価をかさ増し、つまり大きく吊り上げてIPOで一儲けしようとした事が裏目に出て、ソフトバンクは大きく信用を落としました。当然ながら、We Workの信用も下がり、結果としてIPOによる公開買い付けを断念し、合計90億ドル、日本円にして約9735億円のお金が水の泡となったのだ。
やばい大失敗②サウジアラビア国王の逆鱗と失望による失脚
今回のWe Work問題の事で一番痛手を負ったのは「サルマン皇太子の失脚」だろう。We Workの一見がサウジアラビア国王のサルマン皇太子の耳に入り、過激派の筆頭とも言われる皇子は怒り狂い、ソフトバンクビジョン・ファンド2の追加投資を見送る事になったのだ。ちなみに、サルマン皇太子ら公共投資ファンドPIFによる投資額は約450億ドルにもなる。この投資の結果が約89億ドルの損失となると「信用を無くす」のは無理もない。
やばい大失敗③Uberの不調と赤字の加速
Uberは米国の「ウーバー・テクノロジーズ」が運営する自動車の配車を専門とするウェブサイト・アプリの事である。このUberの筆頭株主であるソフトバンクだが、残念な事に結果がついてこなかった。何故なら、関税を巡りアメリカと中国は「米中貿易戦争」を勃発。この影響も加味して、UberのIPOは成功には至らなかったのだ。当然ながら筆頭株主のソフトバンクは「大きな痛手」を被る事となったのだ。
その他にも、ペッパー事業(ペッパー君)の失敗やアーム買収の疑問の声等もソフトバンク株価下落の要因となっている。
アリババの投資が大成功だったおかげで何とか持ちこたえていると語る評論家もいるような状況だ。
結果論として、投資の損失がやばいという現状が更に赤字を膨らませる
結果として2019年の中間報告による数値は営業損益が155億円の大赤字で孫正義氏も「まっかっか」と言う程の大赤字となりました。この赤字は15年ぶりの改悪となった。
これだけの失敗をしたとなるとかなり大きな規模での成功を収めない限りはソフトバンクの信用は戻らないであろう。だが、そんなソフトバンクにも復活の兆しが見え始めている。それが、最近大きくニュースで取り上げられた「LINE」とソフトバンクグループの経営統合をするというものだ。これには大きな期待が集まっており、実業家として有名な堀江貴文氏もこのニュースには注目をしていたのだ。
ソフトバンクグループの傘下にLINEが仲間入り
韓国のNAVERを親会社に持つ「LINE」だが、同じくソフトバンクグループの傘下となったヤフーの親会社である「Zホールディングス」を通じて経営統合至る結果となった。こうして、大手通信キャリアとアジアナンバーワンのソーシャルネットワークサービスが融合する事となったのだ。この事から一度は信用を失った株主たちの評価も徐々にではあるが信用を取り戻す可能性が出てきているのもまた事実なのだ。
まとめ:ソフトバンクはLINEを新たな仲間としてやばい評価を取戻す予定
いかがだったであろうか?今回の記事により、ソフトバンクが投資やペッパー事業でどれだけの損失を出し、結果として多額の赤字を損失する事になったかがおわかりいただけたはずだ。投資会社というのは文字通り、「投資」を通じて企業というものを大きくするのが仕事となる。ただ、皆さんもご存知の通り、「投資と経済はつながっている」ものだ。
今期は「多額の利益」を出しても「来期には赤字に逆戻り」というのも投資の世界の怖い所であり、素人が手を出しにくいのも事実である。ただ、一つの物事を知る事により「投資の可能性」が大きくなるのも投資の魅力であるものだ。今回の「LINEとの経営統合」によりソフトバンクの追い風となるか注目したいところだ。
今回は以上となる。いつもご覧いただきありがとうございます。本当に感謝しています。