民放改正は120年ぶり:瑕疵担保責任は契約不適合責任へ

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民放改正は120年ぶり:瑕疵担保責任は契約不適合責任へと変更

民法は1890年代の日本に制定された「2つの法令」により構成される日本の法律です。この民法が120年ぶりに改正となる事となり不動産業界は特に大きな変革を強いられる事となりました。

 

不動産業界に身を置く方、不動産投資・ビジネスを展開する方は必ず知っておいて損はしない内容となります。また、「不動産購入」を考えている方からしたら朗報と言っても過言ではありません。

 

難しい内容とは思いますが、読んだ後は、良くも悪くも衝撃を受けるような内容となっています。不動産の購入・投資を考えている方や不動産会社にお勤めの方は必ず読んでみてください。

 

 

瑕疵担保責任とは

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瑕疵担保責任の瑕疵は「欠陥・欠点」を指す

2020年4月の民放改正により「契約不適合責任」へと変わるわけですが、どのような変化があるのでしょうか。瑕疵は一言で言えば、「欠陥・欠点」の事を指します。

例えば、不動産の購入後に瑕疵が発覚し、シロアリ、家の傾き等の欠陥に気付く事が出てくることがあります。その場合は「1年以内」なら買主は売主に「損害請求」を出す事が出来ます。このように、瑕疵に対して買主が売主に請求できる権利を「瑕疵担保責任」と呼びます。

 

 

 

重点となる「隠れた瑕疵」とは

まず、瑕疵には通常の「瑕疵」と「隠れた瑕疵」の2種類があります。

通常の「瑕疵」は一目見たらすぐに気づくような窓ガラスのヒビや壁の亀裂、畳のホコリやカビといった「目につきやすい不具合」の事を言います。この場合の対応は簡単で、見つかり次第すぐに報告し、「売買代金より差し引く」ようにしてもらえば問題ありません。

 

これに対し、「隠れた瑕疵」は「台所下の配管の劣化」や「都市設計上のミスの発覚」といった通常では発見しにくい欠陥の事を指します。ここで厄介なのが、「隠れた瑕疵」と言う名前の通り、後で「瑕疵の発覚」がするパターンです。

 

「隠れた瑕疵」を発見した場合、1年間の間は「損害賠償請求」・「契約解除」を行う事が可能です。売買時点では発見できなかった瑕疵のため「隠れた」という表現がなされています。また、「消滅時効」により売主が責任を負う期間が定められており、「瑕疵担保責任」の権利を行使できる期間は「10年間」となります。それ以降はその効力が消えるため、権利の行使が出来なくなります。この事を「消滅時効」と呼びます。

 

民法改正:瑕疵担保責任から契約不適合責任になる影響とは

120年ぶりの民放改正により「瑕疵担保責任」という言葉が廃止となり、新たに「契約不適合責任」と言う言葉に生まれ変わります。この契約不適合責任により何が変わったかと言えば、「瑕疵」の概念が消えるという事です。

 

「瑕疵担保責任」ではその言葉が示す通り、いかなる「瑕疵」にせよ、欠陥が見つかった時点で売主が責任を負うというものでした。ただ、ここで間違ってはいけないのが「瑕疵」という概念が消えたからと言って売主(ベンダー)の瑕疵責任が消えるという意味ではありません。

 

 

 

契約不適合責任により責任が重くなる

瑕疵担保責任が「契約不適合責任」となり瑕疵の概念が消えるというのは一体どういう事でしょうか?「瑕疵」は上記のように「隠れた瑕疵」、つまり、「過失がなく」・「知らなかった瑕疵」の「善意無過失」の場合にも売主は「瑕疵担保責任」を追う事となります。

 

例えば、売主に「落ち度」がなく、後で瑕疵が発覚した場合(隠れた瑕疵)に、「瑕疵担保責を負わない」という条件で「特約売買していた場合」は「特約が有効」となり、例え、雨漏りやシロアリによる木部の腐食が後で発覚したとしても売主はその補修をする義務を負う必要はないという買主にとっては救われない結果となります。

 

ただ、今回の重点として「契約不適合責任」という名称に変わったことで「瑕疵」の念が無くなったので、このような契約自体、今後は出来なくなるという事です。更に言えば、売主は欠陥等の不備に対して「全ての責任を負う」という事になります。

  

売買契約に関係する不適合責任により4つの請求が可能となる

今回の民放改正により新たに誕生した「契約不適合責任」により以下の4つの請求が可能となります。

 

買主の契約不適合責任その①追完請求

引き渡した商品の不備が見つかった場合、その欠陥に対しての修理を行う事、もしくは同じ商品で欠陥の無い物に交換するように「追完請求」が出せます(代替品の請求)

 

買主の契約不適合責任その②損害賠償請求

売主が買主に商品の引き渡しをする際に生じた損害に対し、買主は売主に請求をする事ができます。この権利を「損害賠償請求」と呼びます。

 

買主の契約不適合責任その③代金減額請求

まず流れとして、「債務不履行」に対し、「追完」の権利を行使します。追完は売主の不備で補修が必要となる要素があるが、法的には効力が未確定な状態の場合に行います。この追完を売主が認めてくれない場合、更に「代金減額請求」として売主に請求する事が出来る請求権の一つとして行使する事が可能です。

 

買主の契約不適合責任その④契約解除

どうしても売主との折り合いがつかない時は「契約解除」が可能です。この場合、代金の返還請求をする事となります。ただし、条件があります。この債務不履行の権利を行使する場合は「追完」を行い、それでも応じてくれない場合に限られるので注意が必要です。

 

 

 

 

まとめ:民放改正により瑕疵の概念を変える契約不適合責任

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民放改正により瑕疵担保責任が契約不適合責任になる影響は大きい

120年ぶりの民法改正で瑕疵担保責任は契約不適合責任となります。この事が不動産業界を激震させる事となり、不動産の価格を下げて、一日でも早く物件を手放したいという方も出てきております。このような状況下の中で大幅な値下げをする売主には注意を払うべきです。もしかしたら「悪意的な過失」が隠れているかもしれません。

 

特に、今から新たな家庭を築く方達にとってはマイホームは一生の中で考えても大きな買い物となります。今から始まる新たな人生に憂いがないように今回の記事が役に立ったら幸いです(^^♪今回は以上です。ご愛読いただきましてありがとうございます。